確定申告の時期、高い税理士報酬を見て『自分一人でできないかな』と悩んでいませんか?
近年のクラウド会計ソフトは驚くほど進化しており、以前より『税理士なし』で完結させるハードルはぐっと下がっています。
とはいえ、自力でのミスや税務調査のリスクは怖いもの。
そこで本記事では、税理士事務所勤務の経験もある私が考える最新ソフトの活用法と、税理士が必要な人の判断基準を解説します!
読み終える頃には、あなたがどうすべきかスッキリ判断できるはずですよ。
なぜ「会計ソフトがあれば税理士はいらない」と言われるのか?
「自分で確定申告できる!税理士いらず!」というような会計ソフトの広告をあなたも見たことがあるかもしれません。
会計ソフトは何が便利なのか?主には次の3点です。
銀行・カード連携による「自動連係記帳」が最強すぎるから
freee会計やマネーフォワードクラウド確定申告の売り文句でもある「銀行口座の自動連係機能」。
会計ソフトと銀行口座やクレジットカードを連携させれば、自動で仕訳データを取り込んできてくれるため、自分で記帳する手間を大幅に減らすことができます!
一度この便利さに慣れてしまうと、もう手入力の記帳には戻れません。
スマホ一つで帳簿付けが完結できるから
クラウド型会計ソフトは、パソコンやスマホなどデバイスに縛りなく使用できるのも大きな強みです。
出先で発生した経費のレシートを、その場でスマホでパシャリ。会計ソフトのアプリから写真をアップロードしてそのまま記帳入力することも可能です。
会計ソフトの機能によってはパソコンでしかできないものもありますが、簡単な記帳などであれば、スマホ一つでほとんどできてしまいます。
AIが勘定科目を推測してくれるため、簿記の知識の必要性が減ったから
この出費の勘定科目は何になるのか?迷う前に会計ソフトのAIが提案をしてくれます。
AIがすべてではありませんが、判断の補助をしてくれるというのは特に初心者には心強い機能です。
もちろん簿記の知識も最低限は知っておく必要はありますので、「会計ソフトがあれば簿記の知識は不要」ではないことには注意が必要です。
会計ソフトでできること・できないこと
改めて会計ソフトのできること・できないことの整理です。
会計ソフトで【できること】
freee会計やマネーフォワードクラウド確定申告などの会計ソフトであれば、
- 日々の記帳
- 決算書の作成
- 確定申告の提出
- (消費税の申告)
までを一貫して行うことができます。
なお消費税の申告機能ですが、会計ソフトや契約プランによってはできないことがあるので注意が必要です。
会計ソフトで【できないこと】
- 節税のアドバイス
- 税務署との折衝
会計ソフトは決算書や確定申告書を作成することはできますが、節税提案、税務調査時の税務署との折衝などの部分はできません。
「この出費は経費になるかどうか」や「今年以降も含めた年単位の節税アドバイスがほしい」といった相談をするなら、やはり税理士へ依頼することになります。
税務調査時の立会いや折衝も含め、「専門家の判断」が必要な部分は税理士を頼りましょう。
【徹底比較】税理士に頼むメリット・デメリット
税理士に頼むメリット・デメリットには何があるのか?順番に見ていきましょう!
税理士に頼むメリット
主なメリットは次の2点です。
- ミスによる追徴課税等のリスク回避
- 本業に集中できる時間
税理士に確定申告を依頼する最大のメリットは「追徴課税のリスク回避」です。
追徴課税とは、簡単に言うと「申告内容に誤りや漏れがあった場合、追加で税金を払うこと」です。
税務署に申告書を出す前に税理士に見てもらえるということは、このようなリスクを回避できる可能性が高まるということになります。
また、税理士には確定申告だけでなく月々の記帳業務も依頼することもできるため、極論ですが記帳や会計の部分の作業を丸投げしてその分の時間を本業に充てることもできます。
なお、税理士ドットコムのようなサービスでは丸投げOKな税理士探しができますので、自分のスタイルに合わせて活用することもできます。
税理士に頼むデメリット
- 年間10万円以上かかる高額な顧問報酬・決算料
個人事業主の確定申告を税理士に依頼する場合、契約の形にもよりますが大体の相場として10万円から20万円、申告内容によってはそれ以上になることもあります。
自分で会計ソフトを利用して確定申告まで行う場合であれば、費用は会計ソフト使用料の年間1万円から3万円程度で収まります。
事業規模がまだ大きくない場合は特に、この税理士費用が出費の中でも大きな割合を占めることになってしまいます。
【表で比較】自力(会計ソフト)vs 税理士
ここまでいろいろ見てきましたが、「結局、自分にとってどっちがコスパがいいの?」という主要な項目を比較表にまとめました。
| 自力で会計ソフト | 税理士に依頼 | |
| 年間コスト | 約1万円~3万円 (ソフト利用料) | 約10万円~20万円 (場合によりそれ以上も) |
| 手間・時間 | 記帳~申告まで自力 | 最小限(資料準備)でOK |
| 節税相談 | × | 対応OK |
| 申告内容の正確性 | 自己責任 | プロの保証 |
| 税務調査への対応 | 自分自身のみ | 同席・代行OK (別途費用の必要あり) |
| 向いている人 | ・売上規模年間1000万円未満 ・作業時間が確保できる人 | ・売上規模年間1000万円以上 ・本業の時間を優先したい人 |
最大の差は「お金」を取るか、「時間と安心」を取るかの部分です。
とはいえなかなか難しい選択でもあるので、次の段落ではもう少し具体的に「結局税理士はいるのかいらないのか」を考察していきます。
「税理士への依頼はいらない」と言えるケース・必要なケース
税理士への依頼まではいらないケース
税理士が不要な場合の大まかな目安としては、まず年間売上が1000万円以下かどうかです。
これは年間売上高が1000万円を超えると「課税事業者」となり、消費税を納める必要が出てくるためです。
また、取引が「月に数件」など仕訳数が少なく、内容もシンプルな場合も税理士の必要性は高くありません。
仕訳数が多いと毎月の処理も煩雑になりやすく、誤った処理が発生する可能性も上がるのですが、そもそもの仕訳の量が少ない場合はまだ自力で賄える範囲と言えます。
税理士への依頼が必要なケース
上で少し触れましたが、年間売上高が1000万円以上の消費税の納税義務がある人は、税理士に依頼すべきです。
消費税の納税義務がある場合、毎月の仕訳処理や申告書の作成が複雑になるのはもちろん、場合によっては今後の消費税申告の方向性の検討を行う必要があります。
合わせて年間売上高が1000万円というのは、法人化の本格的な検討に充分入るラインです。
個人事業主の場合と法人化した場合の税金を含めたシミュレーションを行うべきタイミングでもあります。
また、シンプルに経理作業が嫌いな人は税理士に依頼した方がよいです。
経理や簿記の基本的な知識は知っておくべきではありますが、必ずしも自分で経理を行う必要まではありません。
何時間も苦手な業務に向き合って時間と体力・精神力を浪費するより、一定のお金を払って外注する方がよい場合もあります。
【折衷案】会計ソフト+「スポット相談(単発)」という賢い選択肢
税理士に確定申告を依頼すると、内容にもよりますが10~20万円くらいはどうしてもかかってきます。
税理士には頼みたいけど少しでも安く抑えたい・・・という人には、
という手がおすすめです。
税理士に依頼するパターンは、大きく分けると次の2つのどちらかになります。
税理士への支払いを抑えるためには、税理士側の作業をどれだけ減らせるかが一つのポイントです。
税理士に依頼する前に、請求書や領収書の整理だけでなく会計ソフトで帳簿付けもできる限り行っておけば、税理士側も内容のチェックを含めた作業が楽になります。
値引交渉の材料としても「ここまでは自分でやるので」ということが言えると、ある程度譲歩してくれる可能性が高くなります。
注意点としては、いくら会計ソフトで帳簿付けを行っていてもあまりにも修正点が多い場合は、逆に税理士側の作業が増えてしまうことになるため値引き交渉の材料にならなくなるということです。
税理士なしで進める場合の3つのリスク回避術
税理士に頼らず自力で確定申告を行う場合、最低限この3つのポイントを抑えておけば大きなリスクは回避できます。
クラウド会計ソフトの「自動連携」をフル活用して入力ミスを防ぐ
基本的なことですが、まずは入力ミスを極力減らすことが重要です。
freee会計やマネーフォワードクラウドなどのクラウド会計ソフトには、銀行口座やクレジットカード情報の自動連係機能があります。
事業に関するお金の流れを銀行口座やクレジットカードなどに集めておけば、そのデータを連携させるだけで会計ソフトへの入力のほとんどがカバーできます。
コツは手入力が必要になる現金でのお金の動きを極力なくすことで、もし徹底できればかなりの効率化につながります。
税務署の無料相談会や、地域の商工会のサポートを使い倒す
個人事業主が頼れる相談先として、税務署や商工会といった場所があります。
今はネットやyoutubeなどでいろいろ参考になる情報も多いですが、対面で相談できる先があるのは心強いです。
注意点としては、確定申告時期は繁忙期になるため混雑すること、相談内容によっては一般的な回答までしか得られない(節税相談など込み入った相談内容は難しい)場合があることなどです。
税制改正(インボイス制度など)の情報だけは定期的にキャッチアップする
税制改正は定期的にあるため、自分で情報を取りに行く必要があります。
個人事業主の場合、なんとなく「自分には関係ない」と思うかもしれませんが、意外と関係している場合も多いです。
直近の税制改正で、個人事業主に直接影響があるトピックの一例としては
- 2017:セルフメディケーション税制の開始
- 2018:配偶者控除・配偶者特別控除の改正
- 2019:消費税10%への引き上げと軽減税率の導入
- 2021:青色申告特別控除(65万円)の要件変更
- 2023:インボイス制度の開始
- 2023:電子帳簿保存法の「電子取引」保存義務化への猶予終了
- 2025:基礎控除の引き上げ(予定)
上記のようなものがあります。
もし最新の税制改正の情報を知らない場合、自分が税金を多く払ってしまうだけならまだよいのですが、電子帳簿保存法など対応せずにいると罰則が適用されるケースもあるので注意が必要です。
初心者が挫折しないクラウド会計ソフト3選
会計ソフトはいろいろありますが、おすすめはfreee会計、マネーフォワードクラウド、やよいの青色申告オンラインの3つです。
初心者向け新設設計で安心感抜群の「freee会計」
- 確定申告や簿記、経理についての知識はあまり自信がない
- システムを自力でコツコツ触るのはOK
- 細かい使い方はある程度自分で調べながら進められる
という人はfreee会計が向いています。
私も使っているfreee会計ですが、会計ソフトというよりは「業務効率化ソフト」という側面もあるので、予備知識が少ない方が違和感なくシステムの流れに乗れる(使いこなせるようになる)部分もあります。
操作性がシンプルで使いやすい「マネーフォワードクラウド確定申告」
- 確定申告や簿記、経理について多少の心得がある
- システムを自力でコツコツ触るのはOK
- 細かい使い方はある程度自分で調べながら進められる
freeeとは逆に、確定申告や簿記、経理について全くの未経験ではない人にはマネーフォワードクラウド確定申告
の方が使いやすいです。
仕訳の概念(借方・貸方など)を理解しており、その知識をそのまま会計ソフトの中で使いたい人はマネーフォワードクラウド確定申告か、次で紹介するやよいの青色申告オンラインがおすすめです。
コスパ重視・会計ソフトシェアNo.1の「やよいの青色申告 オンライン」
- みんなが使っている安心感で選びたい
- 確定申告や簿記、経理について多少の心得がある
- 無料期間が長く、なるべく安い料金の方がよい
やよいの青色申告 オンラインは、何と言ってもシェアがNo.1(※)という安心感があります。
※MM総研「クラウド会計ソフトの利用状況調査(2025年3月末)」より
会計ソフトの老舗でもあり、初年度は無料で利用できるというポイントも大きいです。
まとめ:まずは会計ソフトを触ってみて、無理なら税理士を検討しよう
いろいろと会計ソフトの話をしてきましたが、まずは「何でもいい」ので触ってみるのが手っ取り早いです。
どの会計ソフトがよいか考える前に、会計ソフトが自分に使えそうかどうか、なんとなくの感触を確かめるだけでもOKです。
freee会計など無料お試し期間もあるので、うまく活用しながら自動連係機能の登録や、実際の仕訳入力などを1週間分くらいの範囲でもよいので経験し、その上で自分でやるのか、税理士に依頼するのかを考えてみましょう。
日々の帳簿付けや確定申告は、大切な業務ではありますがそれなりに時間がかかるものですが、だからこそ会計ソフト・税理士などの手段をフル活用して効率化ができれば、それだけ本業の売上を伸ばすことに集中することができますよ。
ではでは。









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