タイトルの通り、私はfreeeを2年くらい使ってきました。
会計ソフトは私の仕事には欠かせないメイン武器のため、いろいろな種類を触ってきています。
私は一年に30~40件くらいの個人事業主の確定申告書の作成のお手伝いをしています。
会計ソフトもfreee以外では、やよいの青色申告オンラインやマネーフォワードクラウドを使ってみたこともあります。
今回はそんな「確定申告」を主戦場にしている私が実際にfreeeを使ってみた体験やメリット、評判なども調べてまとめてみました!
…先にネタバレをすると、freeeは向いている人と向いていない人がハッキリしています。
使ってみた率直な感想として、
「freeeを使っとけば間違いなし!」
とは言えません…。
ですが、向いている人が使うなら非常に強力なツールです。
ご安心ください。
実際にfreeeを2年使ってみて、「向いているのはこんな人」という答えを私なりに出してみました。
クラウド会計ソフトを探している人は、私の一意見として読んでみてください。
他の会計ソフトとの特徴比較は長くなるので別記事にしています。
>>freee・マネーフォーワード・やよいの比較がしたい人はこちら
どんな人がfreeeに向いているのかを手っ取り早く知りたい人は、目次の「freeeはこんな人に向いている!」まですっとばして読んでくださいね。
freeeは「使う人を選ぶ」ような印象かな。
僕は選ばれるのかな…ドキドキ。
freeeに出会うまで
私がfreeeを最初に知ったのは2016年ごろの今から約2年前(この記事執筆時点)です。
クラウド会計ソフトが徐々に普及してきたころくらいですね。
私の勤め先の税理士事務所にfreeeの営業の方がきて、いろいろお話を聞かせてくれました。
営業の方のお話しは、
freeeは経理作業を大幅に効率化します。
ネットバンキングの口座からデータを同期できる。
クレジットカードの利用明細データも同期できる。
だから自分でカタカタ入力しなくても自動でできるんですよ!
というような内容でした。
そんなこんなで、うちの事務所はfreeeに対応していくことを決めました。
それから私もお客様と一緒にfreeeを使っていくようになりました。
営業の人ってやっぱりアツイね…。
そうだね。うちの事務所としても「クラウド化の流れに付いて行かないと」っていうのがあったみたいだし。
freeeのシェアはどれくらい?
クラウド会計ソフトで有名なのは、freeeの他ではマネーフォワードややよいの青色申告オンラインがありますね。
それぞれどれくらいの人が使っているんでしょうか?
freeeの公式サイトでは、
「クラウド会計ソフトのシェアはfreeeがナンバーワン!」
とあるのですが、少し調べてみると別の結果を示すデータも見つかりました。
えーと…どうやら調べ元が違うようですね。
freeeの公式サイト以外ではこちらのデータが多く使われているようなので、ここではあえて公式サイトではない方のデータのシェアを載せておきます。
私が調べたクラウド会計ソフト市場でのfreeeのシェアはこんな感じです。
https://www.m2ri.jp/news/detail.html?id=299 (株)MM総研調べ
freeeのシェアはこちらのデータでは3番手という結果でした。
うーん…やよいはやっぱり強いですね。
やよいはパソコンにインストールして使うタイプの会計ソフトでは王道のブランドでもありますが、クラウド会計ソフトではやや後発でした。
それでもこれだけのシェアを持っているのはそのブランド力によるものでしょう。
マネーフォワードもfreeeと同じベンチャー系の企業で、クラウド会計ソフトのサービスを開始して割と長いです。
freeeの名誉のために言うと、シェアの広さでは3番手ということになりますが…そのポテンシャルは決して上位2社に劣っていませんよ!
これからもしばらくはこの3強でのシェア争いが続きそうです。
携帯電話のシェアみたいにこのまま3社の寡占市場になるかもしれませんね。
ゆくゆくは各社の乗り換えキャンペーン合戦になったりして。
他の会社はなかなか参入しづらくなるのかな~
freeeを実際に使ってみた感想
freeeにはネットバンキングやクレジットカードなどのデータを取り込んで仕訳を作成できるなど、いろいろ便利な機能があります。
たしかにそのあたりの機能は満足でした。
同期がエラーになるなどの口コミもありますが、私が触ってきた限りではありませんでした。
ふむふむ、データの取り込みはしっかりしているようですね。
次は手入力がスムーズにできるかどうか試してみましょう。
これは一件ずつ仕訳を入力する画面ですね。
一番悩みがちな科目を選ぶ赤枠のところを入力しようとすると、プルダウンでわかりやすいメニューが現れます。
そこで自分が選んだものをマウスでクリックすればOK!。
これなら初心者の人も安心です。
…ですがここで問題をひとつ発見しました。
親切設計がゆえに、大量に仕訳を入力するのには時間がかかるのです。
…そんなときのための「連続取引登録」?
なるほど、私のようにせっかちな人向けの機能というわけですね。
どれどれ…。
赤枠が入力をするエリアですね。
…カタカタ…
うーんさっきよりは早いですが…
正直私にはちょっと使いにくいですね。
こちらの取引も結局はマウス操作が必要な部分があるため、キーボードを無心でダダダダっと打ちまくることはできません。
freeeは基本的に、
- 取り込んだデータを自分で修正し、パターンを学習させる
- 学習したパターンは次回から自動的に処理される
- →作業時間の短縮
という流れで運用されています。
私のように手入力で1から10まですることを想定してないんですね。
連続取引登録や振替伝票などの機能を使うことで、いくらか手入力でも大丈夫なように対応しているということなのでしょうが…それでも私はちょっととっつきにくいなと感じました。
もちろんネットバンキングなどの口座連携はしっかりしていますので、毎月同じような取引が多い人なら一度学習させてしまえばとても楽になります。
手入力も月に数件くらいに抑えられれば、かなり便利に使うことはできると思いますよ。
2年付き合ってきた中で、手入力の部分はアップデートでかなり改良されてきた印象はあるよ。
これからも多分使いやすくなっていくはずだけど、今はもう一声!って感じかな。
意外とスパルタだね…
freeeのメリットデメリット
freeeを実際に使ってみてのメリットデメリットです。
freeeのメリット
freeeを実際に使ってみて感じたメリットです。
- 複式簿記の難しさを感じさせない入力画面
- 売上レポートの表示・請求書発行サービスなどの付属機能も充実
- スマホアプリにも力を入れている
- 消費税の申告までできる(スタンダードプランのみ)
- アップデートが早い
freeeは会計初心者に特化しているため、簿記をまったく知らない人でも大丈夫なように設計されています。
ネットバンキングやクレジットカードのデータ取り込み~微調整して登録までの流れは、学習を積ませることでどんどん修正箇所が少なくなって自動化されます。
時間がかかる仕訳の入力部分を徹底的に省いているので、そういった面ではとてもラクですね。
売上レポートは数字を分析したい人には嬉しい機能です。
分析とまでいかなくても、自分の成績をグラフにしてなんとなく見ているだけでも楽しめますよ。
また、売上先に送る請求書もfreeeの中で作成できます。
その請求書の中に入力した金額が仕訳として登録できますので、二度手間にならないのも〇です。
freeeは今アプリにも力を入れています。
ブラウザ版と同じような操作はできませんが、簡単な入力ならできたり数字のレポートをいつでも見られるのは便利です。
「先月の売上金額を確認する」そのためだけにパソコンを立ち上げるのは面倒ですよね。
と書きましたが、私はアプリ版のfreeeを使ったことはありません(汗)
パソコン以外で使いたいと思ったシーンがまだないので…。
消費税の申告書も作れるのはポイントが高いですね。
こちらは一つランクが上のスタンダードプランのみの機能になるのがやや残念なポイントです。
売上が年間1000万円を超えて消費税を納める必要が出てきても、自分で申告書を作ることができます。
だいたい消費税を払うようになると税理士に頼むようになる事業主の人が多いのですが、freeeなら自分で計算して申告書を作ることもできます。
よくfreeeと比較されるマネーフォワードクラウドでは、消費税の集計はできても申告書の作成まではできません。
アップデートも本当に早いです。
ホーム画面のデザインが突然変わったりするので、久しぶりにログインするとちょっとびっくりします。
もちろんデザインだけでなく、機能の方もどんどん改良されていますよ!
私が使い始めた2年前と現在を比べると、かなりfreeeが使いやすくなっているのは事実です。
freeeのデメリット
こちらはfreeeを実際に使ってみて感じたデメリットです。
- 複式簿記や他の会計ソフト経験者には使いづらい入力方式
- サポート体制に難アリ?
freeeはとにかく独特です。
中途半端に会計の知識があると挫折します。私はしました。
税理士事務所の私の同僚たちも口をそろえて「使いづらい」と言っています(笑)
とにかく会計初心者向けに特化しているため、
会計ソフトってまあだいたいこんな感じだよね
というイメージをすでに持っている人は、使いこなすまでに時間がかかるかもしれません。
freeeのサポートは基本的にはチャットです。
が、たいていのことはヘルプやQ&Aに書いてありますので、自力で調べることも十分可能です。
ちなみに私はfreeeとfreeeを使うお客様の間に立つようなポジションでもあります。
お客様に代わって直接freeeに要望を伝えることもあるのですが、正直その対応に疑問が残ることもありました…。
私の体験談からはfreeeに懇切丁寧なサポート体制を求めてはいけない、とだけここでは書いておきます。
ソフト自体はすばらしいので、ヒジョーにもったいないポイントですね…。
どんなサービスでも「対応が悪い」って意見は必ずあるよね。その人がたまたまだったのか、みんなそうなのかはわからないけど。
そうだね。なんでも自分で体験してみないと答えは出せないよね。
freeeはこんな人に向いている!
この記事の重要ポイントはココです。
メリットデメリットをいろいろ書いてきましたが、私が思う「向いている人」はこんな人です。
あなたも当てはまるものがあったら、ぜひ使ってみてください!
- 簿記や会計の知識がなく、会計ソフトを初めて使う人
- ネットバンキングやクレジットカードの取引が多い人
- わからないことはある程度自分で調べてみようと思っている人
- 将来法人化も考えているなど長期で使うことを考えている人
あなたがもし上の条件にすべて当てはまれば、freeeはとても便利な会計ソフトです。
私も全力でfreeeをオススメします。
freeeは独特の会計ソフトですが、その会計システムにうまく乗ることができればとても快適に作業できます。
ほとんどの取引を自動化して、日々の会計業務の時間を大幅に減らすことができると思います。
そういった意味では、会計初心者の人に最も向いているソフトと言えますね。
長期で使う方がいいとしたのは、freeeに慣れると他の会計ソフトはかなり使いにくいと感じてしまうようになるためです。
将来もし税理士を付けるにしても、freeeを使うことができる税理士かどうかをよく確認しておきましょう。
freeeも対応可能な税理士を紹介するサービスをしているようなので、困ったら利用してみるのもいいですね。
そしてもしあなたが「税理士に依頼しよう!」と思ったときは、税理士の忙しい時期を外して相談に行ってみましょう。
早めに動いておけば、段取りよく確定申告に備えることができますよ。
記事のタイトルに「ややクセあり」と書きましたが、これは「freeeは使う人を選ぶ」ということです。
あなたがさっき見た条件にあてはまるものがほとんどない場合は、残念ですがfreeeは向いていません。
ただ「使いにくいソフト」と感じて時間もお金も無駄にしてしまう可能性すらあります。
会計ソフトはfreeeだけではないですからね。
ペンギンくんはfreeeに向いているんじゃないかな。
そうだね~なんとなくfreeeを使ってみたくなってきたよ!
freeeの評判
確定申告完了。初めての青色もfreeeで余裕でした。
何がいいって、使いにくすぎる国税庁公式の確定申告等作成コーナーを使わなくていいとこ。
ありがたや。感謝。— 北川 淳人 (@atutoKIT) March 8, 2018
確定申告怖い……何も分からない……どうしたら……悩んでいるようで具体的な打開策は考えてない……。
でもコミュ障だから税理士と話すの恥ずかしい、氏にたいという人はfreeeがいいぞ。
確定申告のことを何も分からないままに確定申告書を出力することができる現代の魔法だ。
— moyashi (@hitoriblog) January 22, 2018
Twitterではこんな意見を見つけることができました。
簡単に確定申告ができた!という意見がやっぱり多いですね。
freeeさん、iDは自動取り込みの対象外らしい。そんな致命的な制限を確定申告の時期に言われるの、たいへん困ります。銀行、クレカの自動取り込みに関してはMFは最強でfreeeは実装サボったのが透けて見える変な制限が多い
— KOSAKI Motohiro (@kosaki55tea) February 2, 2018
というちょっと気になるツイートもありました。
ネット上で連携ができるデータの種類はマネーフォワードの方が多いようですね。
だいたいのものには対応しているとはいっても、使う前には対応しているかどうかを見ておいた方がよさそうです。
まとめ
freeeのアップデートのサイクルはとても早いです。
私が使い始めた2年前と比べると、格段に使いやすくなってきています。
現時点での不満点も、もしかしたら近い将来に改良されているかもしれません。
会計ソフトはもちろんfreeeだけじゃありません。
いろいろ並行して試してみるのもアリアリです。
私もいくつか試してみてますし、他社ソフトとfreeeを比較することでメリットデメリットがはっきりとわかります。
とにかく会計ソフトは使ってみてナンボです。
スペックや料金も大切ですが、まずは触ってみて自分がどう感じるかが大切ですよ!
無料で使えるプランもうまく活用してみましょう。
いろいろ書いてきましたが、
freeeが向いている→会計の知識がない全くの初心者
freeeが向いてない→会計の知識あり or 手入力メインの人
のような感じです!
freeeで確定申告にかける時間を減らして、売上を稼ぐことに使う時間を増やしましょう!
コメント
不幸な人を増やさないためにも、税理士を頼もうと思っている人は基本的にフリーは使うわないでください。お願いします。フリーのお客様と契約する先生方は、顧問料を高めに設定して下さい。死んでしまいます。
ご意見ありがとうございます。
freeeは他の会計ソフトの経験があるほど慣れるのに時間がかかりますよね・・・わかります。
私もいまだに使いこなせているとは恥ずかしくて言えないレベルです。
会計事務所職員さんは、もしかして自社の会計ソフトとお客様のfreeeのデータを繋いで移行・調整・修正するような立場でしょうか。
これほんとに大変ですよね。
データのやり取りがうまくいかないとどんどん時間を喰ってしまいますから・・・
自分の慣れの部分とお客様にスキルアップを求める部分
どちらも力のいる作業です。
正直私も顧問料高めにお願いしたい!と思いますがちょっと難しそうですね。
freeeを含めクラウド型の会計ソフトがもう少しクオリティが高くなれば、事務所側も楽になる予感は大いにするのですが(汗)
事務所側とお客様側でfreeeをどのように使うか、しっかりコミュニケーションが取りながら使っていかないといけませんね。